スズキ スイフト ヒーターコア交換
山梨県甲府市の自動車整備工場「原品自動車工業所」です。
おクルマの車検、点検整備、修理はもちろん、県内では数少ない福祉車両事業を自社で行っています。日々の業務を出来る限り分かり易く、ゆる~くご紹介しております(^^)
ちょっと珍しい症状の事例です。*昨年の冬場の話です
スズキ スイフト(ZD11S)で営業車として利用されている車両でしたが、担当者より「ヒーターの暖かい風が、右は吹き出し口から出て来るけど左からは出て来ない。何かオカシイのか見て欲しい。」との事でご入庫です。
症状を確認すると、確かに運転席側の送風口からは暖かい風(熱いくらい)が出て来るけど、助手席側の送風口からは冷たい風(ぬるい)が出て来ています。
このクルマが運転席と助手席、別々に送風温度を変えれるタイプであれば話は別ですが、その様なタイプではありません。
送風口は各所にありますが、元は一か所から送らた風が、枝分かれしたダクトを通り排出されています。
なので、通常であれば送風口から出て来る温度の差は殆どありません。
しかし、今回の状況は左右の送風口から出る風の温度にハッキリと差が出ていました。
この様な症状で疑うべき所は「ヒーターコア」です。
ここでクルマのヒーターについてザックリと説明。
一般的な車はエンジンのオーバーヒートを防ぐ役割として冷却水を使用しています。(俗にいう水冷)高温になったエンジンに冷却水を通す事で熱を分散させているのですが、この冷却水はエンジンの熱を貰うので冷却水自体も温度があがります。この温度の上がった冷却水を室内に取り込み、取り込んだ先に風を送る事で暖かい風として送風口から出て来る仕組みとなっています。
この取り込んだ先がヒーターコアと呼ばれる所になります。
ヒーターコアには冷却水の入り口と出口があり、その間には冷却水の通る細い通路があります。その通路が何かの原因で目詰まりを起こすと、暖かい冷却水がヒーターコア内部に行き渡らず、風を送っていても「風がぬるい」「冷たい風が出て来る」などの症状が出ます。
(適当なくらいザックリだなぁ(~_~;)
今回の原因は、錆によってヒーターコアの左半分が目詰まりを起こし、右側のみ暖かい冷却水が入っている状態で風が送られて来ていたので、左右で温度差が出てしまっていました。(中身の写真は撮り忘れていました)
ではなぜサビが出たかと言うと、冷却水の定期交換をせずに水道水を付け足した事で冷却水の防錆効果が薄れ、サビを発生させていたようです。
エンジンの冷却水は冷却効果だけでなく、防錆効果や凍結防止効果を担っているので、定期的な交換をお勧め致します。水道水などの真水を入れる事などは避けて下さいね。
ちなみに「エアコン」と「ヒーター」は別の構造で成り立っています。コントローラーが同じだからエアコンとヒーターが一緒のモノと思われている方もいるのではないでしょうか?
その辺りはまた機会がありましたら載せたいと思います(^^)